2024年4月期のTBS日曜劇場で放送されていた『アンチヒーロー』
弁護士を挟んで調停離婚をしたこともあり、この手のドラマは絶対に見たいと思っていました。
ドラマは刑事事件の内容でしたが、私が経験した”家事事件”も似ている部分があったのでご紹介したいと思います。
目次
弁護士あるある?明墨弁護士のやり方
「検察側の証人に接触してはいけないと法律で決まっているわけではない。それにそもそも我々は検事とは名乗っていませんよ」
by明墨弁護士 Episode1ー接点ー
このセリフを聞いた瞬間、「弁護士なら言いそう〜」と思ってしまいました笑。
今回有席配偶者である元夫に弁護士がつき、私は一人で戦うという構図でした。
弁護士同士では同業者なので気にならないかもしれませんが、素人からしたら「これが弁護士のやり方・言い方か・・・」と思わされることが何度もありました。
「ありますか証拠?金で映像を奪い取れなんてそんなこと私が言うわけないでしょう」
by明墨弁護士 Episode3ー過去ー
富田議員の息子正一郎が映った姿が、パイプ業者のドラレコに映っていたと情報を教える明墨。
情報は教えたが、その後取った行動は全て富田議員の意思で行なったものです。
証拠の必要性、自分がそうするように強要していないことを実際にこうやって言い返せてしまい、相手がこれ以上追求出来ないことを弁護士は知っています。
家事事件だろうが弁護士が介入した以上、
- 法律
- 証拠
- 相場
- 過去の判例
これらがとても重要になってきます。
”あくまで”法律違反ではない
弁護士は法律を翳してきます。
それがたとえ有席配偶者であっても、依頼人の利益のためにいろんな側面から”法律”を用いて主張をしてきます。
ですが言い換えれば、明墨弁護士のように”法律で決まっているわけではない”ところを上手く利用することも可能です。
お金より社会的制裁を望んでいる人もいます。
どうにかしてバラしてやりたいと思っている人もいるかもしれません。
ですが安易に行動すれば名誉毀損やプライバシー侵害などに引っかかる可能性もあります。
「法律で決まっているわけではない」
弁護士としては勧めないが・・・と前置きしながら法律に触れない程度のやり方を教えてくれる弁護士も中にはいます。
物的証拠と状況証拠
「我々にとって証拠の数は多ければ多いほどいいんだ。」
「(ハリネズミは)1本の針じゃ弱いから複数の針で戦ってこようとするんだ」
by明墨弁護士 Episode1ー接点ー
検察側は決定的な証拠を掴めておらず、状況証拠を複数提出することは、1つ1つの証拠はとても弱いものだと自白しているようなものだとも言っていました。
これを不倫に置き換えると、
- 物的証拠=ホテルの出入り写真
- 状況証拠=LINE記録、通話記録、相手宅への出入り
男女の関係と分かる決定的な証拠はホテルの出入り写真です。
ですが、この証拠は簡単には入手出来ません。
ピンポイントで調査日を特定する、探偵費用、こちらの予想通り相手が行動するとは限りません。
裁判になると”物的証拠”はとても重要です。
ですが、少し難しくはなりますが”状況証拠”でも数を積み上げることで、男女の関係が疑われることを証明していく方法もあります。
配偶者に不倫を認めさせたい場合は、複数の状況証拠でも可能な場合が多い印象です。(※配偶者がモラハラ気質は難しいことも)
逆に不倫相手に慰謝料請求する場合は、不倫そのものを否定したり、大幅な減額要求などで訴訟に移行する場合も珍しくありません。
そのような時は物的証拠が必要になってきます。
心に響いたセリフと不倫人に共通するもの
第7話、瀬古裁判官の不正を暴いた明墨。
「よくもやってくれたわね」と瀬古に言われた明墨は「自業自得では?」と言い返します。
不倫人も同様、「よくもやってくれた」と内心は思っています。
「私がこれまで積み上げてきたものを、簡単にぶち壊して・・・」
by瀬古裁判官 Episode7ー追求ー
全てをバラした直後、元夫は「これからの俺の人生が・・・」と言っていました。
ドラマと全く同じです。全ては自業自得なのに・・・
「この国を変えるためにも私は必要なことをやったまで」
by瀬古裁判官 Episode7ー追求ー
不正行為を正当化するための発言ですが、これも不倫人と全く同じです。
”不倫したのは仕方ない” ”元々不満があった”などと正当化してきます。
「確かに最初はほんの出来心だったかもしれません。だが、人は慣れる。ズブズブと暗い道に入り込み、その生ぬるい心地よさに浸るうちに感覚が麻痺していく。罪のない人間を有罪にしてもいい、なんてそんな狂った考えが生まれてしまうほどにね」
by明墨弁護士 Episode7ー追求ー
ドラマの中でTOP3に入るくらい心に刺さったセリフです。
確かに最初はほんの出来心で始めたのかもしれない。
人生も仕事も上向き調子で、元夫の中では”イケイケ”無双状態でした。
最初はバレたらいけないと細心の注意を払うも、バレないことに慣れていき、感覚がどんどんと麻痺してくる。
不倫相手に褒められ煽てられ、自分は”イケている人間”だと思い込む。
妻のことはどうでもいい、相手が傷付くことは考えもしない。
どんどんと不倫という沼にハマり抜け出せなくなった元夫は、私や愛犬、そして家族までをも巻き込み、自分が描いていた”離婚予想図”とは真逆の高額慰謝料を支払うことになりました。